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災害大国日本、被災時に役立つ防犯対策

住まいと暮らし
2024.4.15

予め準備と心構えをしておくことで、災害時のパニックを防ぐ防犯対策

昨今、地震や津波、火災、台風など大きな災害が各地を襲い、災害に対する危機意識が高まっています。災害は発生する場所や時間を選びません。どんな災害が、いつ、どこで、どの規模で起こるのか、状況が前もって予測できれば良いのですが、残念ながら災害はそういうものではないことは、みなさん誰しもご存じのはず。今回は発災時にどんなことが想定されるか、防犯面からどのような心構えや準備をすればよいか考えてみたいと思います。

災害をシミュレーションしてみる

災害をシミュレーションしてみる

防犯面からの災害を想定すると、気がかりなのは、鍵がその役目を果たせなくなることがあげられるのではないでしょうか。被災し、家が歪んだりしてドアが開かない、反対に閉まらない、鍵が壊れる、ドアが壊れる、窓が割れる、門扉や塀が倒れる、等々。屋根等が被災すれば、雨が降るだけで家財が濡れたり、隙間風に吹かれたり。さらに問題なのは、侵入者を抑止できなくなり、良からぬ人でも家の中に入れる状態に陥ってしまうということです。

そんな家の状態であれば、家人も家に留まっていられないでしょう。雨風をしのぐのも容易ではありませんし、どこかへ避難するなり、一時的でも家を離れる必要に迫られます。その家の人が不在で、誰でも入れる状態であれば、いわゆる火事場泥棒を警戒しないといけません。

心配だからといって、家財や家具、貴重品を持ち出すといっても、そんなに多く持っていけるものでもありません。先般の地震でも問題になった「二次避難をしないのではなく、できない」という気持ちも理解できます。二次避難どころか、一次避難で避難場所が近所だとしても、家を空けることに躊躇するのも当然です。しかし、被災しながらそんな心配をしないといけないとは残念なことです。

状況を予測した対策とは

状況を予測した対策とは

住宅の中でも特にマンションでは玄関ドアが唯一の避難口として重要な役割を担っています。事前の対策として、地震による建物の変形に対してもドアが開くよう設計された「耐震丁番」は低コストでできる地震対策として有効です。 ※写真は 「耐震丁番FH-B1R型」(美和ロック株式会社)



ドアジョイナー符号錠付

玄関の鍵や窓の鍵が壊れて(やむを得ず破壊したなど)閉まらなくなったという場合もあります。こんな時もチェーンと南京錠で施錠できれば、家族も家財道具も守ることができますし、南京錠と金具で一時的に玄関ドアを仮施錠にできる製品もあります。※写真は「ドアジョイナー符号錠付」(株式会社日本ロックサービス)



はいれーぬメイト カギツキ

さらに、サッシや窓の補助錠が備わっていると便利で安心です。集合住宅での避難時には、バルコニーのパーテーションを破らざるを得ない時や、破損することもあります。復旧工事に長期間を要することもあるので、バルコニーだからと手薄だった窓の防犯も補助錠で強化することをお勧めします。転落事故などの思いもよらない事故防止にも役立ちます。※写真は「はいれーぬメイト カギツキ」(株式会社日本ロックサービス)

災害に伴う防犯面での心配を減らす

災害に伴う防犯面での心配を減らす

繰り返しますが、いつ「災害発生!」となるか誰もわかりません。また被災の程度もさまざまです。ただ、災害に伴う防犯面での心配を減らすことは可能です。いざというときにパニックに陥らないよう、予め災害に対する危機意識と正しい知識を持ち、状況を予測し、わからないことがあればプロに相談もし、必要な防犯対策を行いましょう。日ごろから防犯の準備をすることで、もしもの災害に乗じた犯罪等の被害を最小限に留めたいものです。

※「錠」と「鍵」の表記について
錠前(錠・ロック・lock)は、扉などに取り付けて締める金属、機械的または電子的な部品をいいます。鍵(かぎ・キー・key)は、錠前を施錠・解錠する(操作する)ための器具をいいます。ここでは便宜上、日常的な会話に合わせて、鍵と錠前をまとめて「鍵(かぎ)」と記載している場合があります。